生まれた起源は2008年と意外と年数が経過している。
■技術的なしくみ
従来の既存貨幣は「信用」を土台にしている。つまり造幣局などの信頼ある機関が発行しているから貨幣としてみんなが信用して使う。Bitcoinsにはそのような機関は無く、ユーザーが発行する。
この発行をマイニング(Mining)と呼んでいる。金山から金を採掘するがごとく、Bitcoinsを電子の海から採掘する。
◆誰でも発行できるのか?
できる。採掘する為には提供されているOpenSourceでP2Pなソフトを使う。
◆無尽蔵に発行できる?
発行難度条件が動的に変動する
発行するには「採掘」を行う。採掘とはお題演算を解くこととある。お題はソフトからでるらしい。例えば現在のPC性能で10分間等のかなり高負荷なもの。
みんながBitcoinsを欲しがる → みんなが採掘する → 流通量が増える → お題の難度が動的に変動する(ココが肝らしい) → お題を解く時間が長くなる → 急激な流通量の増加を抑制
このしくみは金山の埋蔵量の限界に似たものを、仮想的に実装したものと言える。
金は自然が緩やかに生成した鉱物資源でいまもなお非常に緩やかに生成されていると言えなくもない、ただ採掘速度の方が圧倒的速いと思われるので「埋蔵量の限界」が知覚される。
Bitcoinsも埋蔵量が固定的なものではなく増加させていくが、その増加カーブを制御している。
(OpenSourceなのでソースを読めばどういうアルゴリズムかはわかるとは思うのだが)
ちなみに現在では既にお題はかなりの難度まで進行しているらしく、Bitcoinsのお題演算用のASICチップまで開発、販売している。これもこれで「へぇ~」な感じである。
発行は競争である
ゴールドラッシュのごとく、ユーザーは「採掘」を行うわけだが、全員が採掘に成功するわけではない。例えば1つのBitcoinsの採掘に対するお題を複数のユーザーが解いているとする。この場合「早い者勝ち」となる。よって高難度のお題を高速演算できるユーザーが有利。セキュアなのか?
多分ここが貨幣として最も肝だと思う。保証する国も機関もないので。説明は文献に任せるとして、テロメアか?テロメアが伸びるのか?という印象を受ける(激謎
端的にいうと多数決により安全を確保する。ただし多数決は「個数」ではなく「時間的な質量」とでもいう感じか。
この文献からこのBitcoinsを成り立たせているモノのコアがなんとなく見えてくる。
そのコアとは何か誤解を恐れずズバリ言ってしまうと、
社会において善人が悪人より明らかに多い前提
によって、Bitcoinsのしくみは成り立つ。
正確には
悪人=改ざんする為にクラック演算するコンピュータの演算総量(台数、速度等)
が、
善人=正しくお題を演算するコンピュータの演算総量(台数、速度等)
を上回ったとき、このBitcoinsシステムは破綻する(と、思う)。
これは中々面白い方法で人の「善の特性」をうまく利用している考え方かもしれない。
サンデル教授の見解をぜひ聞いてみたいところである(謎
私的にこの点においてのポイントとなりうるのは「コンピュータの台数ではない」と思えることである。
高出力の演算能力を叩きだせれば極論1台でも良い。
つまりそういう超高性能なコンピュータを「何台用意すれば」世界中の採掘者相手に半数以上の演算能力を超えられるか?ということになる。マギの多数決で2台を汚染すれば勝ち目有りってことである。3台全てを汚染できなくても良い。
※100に対して100以上を新規に用意するか、100のうち50以上を乗っ取るか、いずれでもいいかもしれない。
これはちょっと映画のような事態が引き起こされる可能性もはらんでいるような気もする。
小額決済には良いかもしれないが、高額決済は少々怖い。もしBitcoinsで数億ドルの取引が可能になるのなら、悪意を行う為のコンピュータ資源に投資する資金の上限も上げられる。つまり元が取れるかもしれない「賭け」ができる。
Bitcoinsは破られる可能性が極めて低いシステムであり、破られた場合の保証のよりどころがない点が、資産とは言いがたい点かもしれない
。
その「極めて破られにくい」点が幻想なのかというと、現状はRSA級の技術的裏づけはあるとは思うが、なにせ人が扱うので穴はどこかにあるものである。
ただ、Bitcoinsの可能性は非常に面白いので、下手なバブルでつぶされて欲しくないものである。
■ツールバーに仕込んで分散演算
ツールバーにマルウェアを仕込むのが一時期流行した(今でも?)。その応用でMining演算を仕込んでいるものもある → YourFreeProxy
規約で仕込み明記、無論採掘したBitcoinsは全てツールバー作成元に帰属する。
■妄想
ちなみにBitcoinsの技術的しくみは「中本哲史」なる人物の論文によるものに基づいている。この人物が実在の人間なのかどうかいまだ不明とのこと。メアドはドイツ地域らしいが。
こういうと言い方はよろしくないが、正体不明の人物が提示しているしくみにも関わらず我さきにと乗っている世界中の人々の図というのは、面白くもあり恐ろしい。
まるで何かの映画のストーリーの進行を垣間見ているようなデジャブー感が少しある。
Bitcoinsではなくともいつかはこのようなモノが出てくるハズだったのかもしれないし、今後の動向に興味である。
文献:
ビットコイン:P2P 電子マネーシステム
和文Wiki: Bitcoins
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