2019年9月27日金曜日

3D Viewで近くに寄るとモデルが見えなくなる ~ Blender2.80

3D Viewで近くに寄るとモデルが見えなくなる


3D Viewで作業中にモデルにズームで寄るとメッシュ面が消えて見えなくなることがある。
 


近接表示時の有効範囲がデフォルトで0.1になっている為、その距離未満に近寄るとめりこんだように表示される為。
Clip Startの値を小さくすれば解決する。

Clip Start値設定手順

3D Viewウィンドウで操作。
  1. nキーをクリックしてツールシェルフを表示する。
  2. 右端のタブの「View」をクリックして選択。
  3. Clip Startの値を0.01や0.001等小さくする。
  4. 消えていた近接距離内のメッシュが表示される。



ちなみに、遠いオブジェクトが表示されない場合は「Clip Start」すぐしたの「End」の距離を大きくして表示距離を増やせば見えるようになる。

追記:
0.0001等あまり小さくすると近距離で重なっているメッシュがチラついたりするので注意。
 


 

2019年9月23日月曜日

Blenderの時代がくるカモ?その2

Blenderの定点観測的メモ。

今度は国内メジャーIPを制作しているアニメスタジオでもBlenderへの寄付&使用の話がでているようです(発表から結構経ってますが)。

エヴァンゲリオン制作にBlender使用

2019.7.30に株式会社カラー、株式会社プロジェクトスタジオQがBlenderに寄付を発表。
社内でのCG制作ツールをBlenderへ移行を進めているという話。
※上記会社はエヴァを制作しているところです。念の為。

映像系は3dMaxが多い

主に映像系では3dmaxが多いと言われています。株式会社カラーでも3dsMaxを使用しているとのこと。だいたい年間の使用料は25万です。
(サブスクリプションによりますが約23~25万。買い切りライセンスは無し)。

これはデザイナー1名が業務をする為に年間約25万必要ということです。
社内にデザイナーの作業人数分必要になります。このコストが結構馬鹿にならない。
※ここについては極論「どうせ売り上げ出ればペイできるでしょ」という意見もありそうですが、小規模な会社ではそんなに何本も3dMaxばかり入れるわけにもいかない場合があります。他にも使用する有料ツールはあるわけですし、PC等の機材費用も定期的なリプレース費用がかかります。比較的デザイナ系ツールの方がプログラマ系ツールよりコストがかかりやすい気がします。

3dmaxのコストが協力会社との連携の足かせになる

作品制作で自社のみでは人手が足らず、協力会社等と連携するのはよくある話。
そこで以下のような問題があるとのこと
  • 3dsMaxをメイン導入しているのは小~中規模の会社。
  • 人数を確保する為に複数の会社と連携。
  • 管理コストが高くなる。

依頼先が大手なら大量のデザイナを抱えていて一括で済むのかもしれませんが。なかなかそううまくはいかないようです。
中小企業だと全員が3dsMaxを使うと採算がとれなくなってしまうとのこと。結果1社では人員を確保しきれずに複数の会社に依頼。管理コストが高くなるという図式。
※やはり国内ではMayaを使っているところが多いようです。
※複数会社に依頼すると各社ごとの日程、品質調整管理など実際には思った以上の手間が発生します。昨今はその為にShotgun等の管理ツールが続々と発表、販売されてます。


その他

グリースペンシル機能が決めて

グリースペンシル機能が決めて
2Dアニメに最適とのこと。
※使ったことないので詳細割愛(笑。

Blender財団も協力的

日本のアニメ制作会社が使うということがやはり大きいようです(しかも有名IP持ち)。
本格移行は「シン・エヴァンゲリオン劇場版」完成後。
既に諸々導入前検証済らしく、次は実施検証という流れ。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」が2020.6までやっているとのことで、それ以降Blenderの本格導入という感じらしい。
※特に日本は「他社が使ってるから」ということで影響を受ける会社も多いので、またニュースリリースでもあれば普及が加速するかも?

Blenderの不足部分はUnityと組み合わせることで解決

具体的にどこが不足とは書かれていませんが。

過去に(2016頃)UnityはMARZAと協力して映像系への試みもしています。親和性が高いのかもしれません。
参考:"THE GIFT" (created using "MARZA Movie Pipeline for Unity") 本編
 

「紙と鉛筆」並みのコストで作品作りを学べる

本来作画アニメーターは紙と鉛筆さえあれば絵を描ける。同様に3DCGクリエイターもBlenderがあれば「紙と鉛筆」並のコストで作品作り、学ぶことができるとのこと。
※さらにそのスキルがそのまま現場でも有用なのが重要だと思います。





雑感

良い意味で無料で使えるというのは普及、発展という観点ではかなり大きな要素だと思います。今回そこに国内大手スタジオも採用というブランディング要素も追加されて条件が揃いつつある気がします。
ちなみにゲーム系はMaya一色感がある為、国内ゲームクリエイタ系専門学校ではMayaがカリキュラムに組まれています(映像系は3dmax)。

ゲーム系の専門学校に行っていない、が業界に興味があるので勉強したい人にはMayaの費用が結構負担になります(学生ならアカデミックライセンスもありますが、それでも学生には負担でしょう)。勿論相応のスペックのPCの購入費用もかかります。

すると傾向としてゲーム系就職予備軍は専門学校生が多くなると思われますが、それ以外にも潜在的に尖った人材はいるはずです(むしろ学校で画一化されていないところに)。

他の3Dソフトが使えてもMayaが使えないことで業界への流入の敷居が高い気がします。
※新人ならまだしも、中途転職だと「Mayaが使えない」のは結構致命的な可能性が高い。昨今はHoudiniデザイナの方が希少ぽいですけど。


過去このようなことをひっくりかえした事例がUnityの「ゲーム開発の民主化」であり、LinuxによるプロプラエタリなUnix OSの駆逐(既に駆逐と言っても良いでしょう)でもあります。

OS、プログラミング、そして次はデザイナーの世界が解放される・・・のかもしれませんね。

当然3D世界のプロシージャル化も加速すると思われ、次は小学生が3Dモデルを簡単に作って遊んでいる時代がきそうです。

そのときのクリエイションはさらに先を行っているはずなので、どうなるのか早く見てみたいですね。

というか、できればそこで作る側に参加したいですね。その時業界のデザイナ、プログラマに要求されるスキルは恐ろしいことになっているかもしれません(職人から分業化を経てまた職人的なものへの回帰も?)。少なくともマルチスタックなスキルは必須になりますし。ソフトウェアの無料化で裾野が広がることで、本業への要求スキル爆上げみたいな(笑)。本気でやってる人には「望むところ」なので爆上げ上等でしょうが(笑)

2019年9月20日金曜日

Symmetrizeで対称Armatureがズレる対策 ~ Blender2.80


人型アバターのボーン(Armature)を半身だけ作っておき、Symmetrizeを使うと自動的にもう半身を生成できて便利です。

ですが状況によってはうまく対称形が作れない場合があります。

ズレて反転コピーされる場合

Symmetrize はアバターの Armature の Object OriginのX座標を起点に対称形を生成します。
以下のような場合はうまく生成できます。

上記図ではアバターArmatureのObject Originが体の中心線上(HipsやSpline等の軸上)にあります。Symmetrize はそこを軸に反対側を生成します。



以下のような場合はうまく生成できません。

上記図のような場合、Lower Leg.Lの左側に Object Originがあります。
これでSymmetrizeした場合、Object Origin の左側にLower Led.Rが生成されます。
結果、おかしな状態になります。



ArmatureのObject Originを正しい位置へ合わせる

X方向の体の中心線上に合わせれば良いのでHipsでもSplineでも良いのですが。
だいたい人型アバターだと足元、中心線上にアバター起点用のArmatureが仕込んであることが多いようです。そこにObject Originも合わせておくのが後々も都合がよいかもしれません。


作業手順。
  1. 3D ViewでObject Modeにする。
  2. Armatureをクリックして選択する。
    ※画面左のツールシェルフがSelelctになっていないと選択できません。
  3. Edit Modeにする。
  4. 合わせ先のボーンをクリックして選択。
    足元でアバターの中心線にあるボーンを選択。
    ※Symmetrizeだけを考えるならHipsでもSplineでも中心線上のボーンならOK。
  5. Shift+Sから、Cursor to Selected をクリック。
    ※3D Cursorが選択したボーンに合います。
  6.  Object Modeにする。
  7.  3D View のヘッダーメニューから、Object > Set Origin > Origin to 3D Cursor をクリック。
  8. これでObject Originがアバターの中心線上に移動しました。
    あとはSymmetrizeすればきれいに対称形が作成できます。


2019年9月19日木曜日

アバター半身のArmatureから対称形を自動生成 ~ Blender2.80

Blender2.80での操作系変更点の自分用メモ。

アバター半身のArmatureから対称形を自動生成する方法。
(2.7系と基本的に同じ)。

X-Mirrorで作りながら対称形も同時制作する方法もありますが、ここでは先に半身を作ってから Symmetrizeで逆側の半身を自動生成します。
※未検証ですが、Symmetrizeだとコンストレイン等もコピーできるらしいので。



Symmetrizeで対称のArmatureを作成

作業手順。
  1. 3D ViewでObject Modeにして対象のArmature選択。
  2. Edit Modeにする。
  3. 全ボーンを選択する。
    ※厳密には対称形を作るボーンのみでOK。Hips、Spline等を選択していても中心線にあるボーンは自動生成はされない。
  4. 3D View内の何もないところでRMBクリックのメニュー > Symmetrize で対称形を生成。
  5. この時予めにボーン名末尾にあらかじめ「.L」等のBlender規定の命名規則を付与しておくと、生成した対称形の各ボーン名に「.R」が自動付与されます。
    ※これは後から LMB>Names で操作もできます。



2019年9月18日水曜日

ポースのIK設定 ~ Blender2.80

Blender2.80での操作系変更点の自分用メモ。
※説明中、ヘッダーが下部に表示している場合有り。
※動画等で海外情報を見ることが多い為、UI設定は英語のまま。


ポーズのIK設定

  1. 3D ViewでObject Modeから対象Armatureを選択。
  2. Pose Modeにする。
  3. 3D View のヘッダー右端の Pose Options をクリック > Auto IKをクリックしてチェック入れ。
  4. IKが有効になる。
  5. 手などの末端のArmatureを動かすと、腕のArmatureがついてくる動きになる。